ポストレイアウトシミュレーションを行う場合,レイアウトから大量のRCが抽出されるためシミュレーションに時間がかかる.HSPICEでは,ネットリスト中の大量のRCを縮約(Reduction)する事でノード数を減らし,シミュレーションを高速化することができる.この場合,SIM_LAオプションを利用する.LAとはLinear Accelerationの略である.
.OPTION SIM_LA = value
valueは[PACT | PI | 0 | 1 | 2]を取り,以下の対応となる.
PACT: PACT(Pole Analysis via Congruence Transforms)アルゴリズムでRC Reductionを行う.PACTアルゴリズムでは,DCでの特性を完全に合わし,同時に指定された周波数f0以下の範囲に存在する極を保存するようにReductionを行う.以下に示すPIより高精度.
f0はLA_FREQオプションで以下のように指定する.
.OPTION LA_FREQ=value
valueが0である場合,Cの情報は消えてしまう.
PI: RCネットワークから等価パイ型モデルを作る.
0: SIM_LAオプションを無効にする(default).
1: PACTを有効にする(.OPTION LA_FREQ=PACTと同じ).
2: PIを有効にする(.OPTION LA_FREQ=PACTと同じ).
HSIMの場合,SIM_LAオプションではなく,変数HSIMPOSTLを指定する事でRC Reductionを行う.
.PARAM HSIMPOSTL = value
valueは[0 | 1 | 2 | 3]を取り,以下の対応となる.
0: RC Reductionを無効にする.
1: RC Reductionを有効にする.
2: RC Reductionを有効にする.
このオプションは,一つのネットに大量のMOSFETのドレイン/ソースがつながっているときに有効.
3: RC Reductionを有効にする.
このオプションは,RC Reductionを行う閾値となる電圧を1mVから10mVに緩和することで,より高速にポストレイアウトシミュレーションを実行可能にする.
マニュアルを読む限り,HSIMのRC Reductionはメモリーやデジタル回路のクロックツリーのシミュレーションを対象としている様だ.従ってHSPICEとは異なり,周波数ドメインの事はあまり考えていないようだ(要調査).
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