2015年3月5日木曜日

とある博士学生の助教公募戦線記録

これまでに出した公募の結果が一段落したのでまとめてみる.

スペック
・大手私立大卒→国立大大学院
・男
・集積回路系.自称CAD屋
・応募時の業績:論文誌2本,国際会議7本,その他
・学振はとれず
・特に大学にこだわりはなく,J-RECINで自分に合いそうな大学を探して応募した.


2013/10 私立大学(母校だった)
・任期付き助教(5年,再任無し)
・研究分野の指定無し
・応募後,6週間ほどでお祈りメール
・同時期に,研究分野を特に指定する公募(任期5年)と,特任助教の公募(任期1年/5年まで延長)もしていた.

2013/10 国立大
・任期付き助教(5年,再任あり)
・研究室の指定あり
・研究内容は自分の研究テーマとマッチせず
・応募後,6週間ほどでお祈りメール

このあたりで焦りだし,積極的に応募するように.

2014/1 私立大
・指導教員からのツテで話が来た
・任期付き助教(5年,再任無し)
・研究分野の指定あり
・研究内容は自分の研究テーマとは少し異なるが,拡張は可能と判断
・受け入れ先とはある程度順調に話は進んでいたが,卒業が無理と判断,辞退した

2014/4 国立大
・任期付き助教(5年,再任あり)
・研究室の指定あり.受け入れ先と相談した結果,自分の研究テーマを拡張すれば良いと判断
・受け入れ先研究室の情報が不十分で,モチベーションが上がらず結局応募せず.

2014/5 国立大
・任期付き助教(5年,再任あり)
・研究分野の指定あり.受け入れ先と相談した結果,すりあわせればokと判断し応募
・応募後,半年(!)かかってようやくお祈りメール

2014/5 国立大
・任期付き助教(5年,再任あり)
・研究分野の指定なし.受け入れ先にもあらかじめ連絡.
・応募後,2週間ほどで面接.
・面接後2週間ほどで内定通知
・同時期に,研究分野指定の任期付き助教の公募もしていた.

もう一つ指導教員のツテで話が来た公募もあったが,こちらは時期があまりにも先だったのでお断りしてしまった.


感想
・任期付き(5年)が多い.私立大は再任不可も多い.文科省がテニュアトラック制度を推進している事と,後者は正規雇用をいやがるためか.指導教員は驚いていたが,任期付きというのは時代の流れだろう.

・研究テーマを指定された場合において,意外と自分の研究テーマ(集積回路)と合う公募は見つけられなかった.多かれ少なかれ研究内容の軌道修正をしないと受け入れ先の希望に添わない.
# 一方で本年度は集積回路系の助教公募が多い気がする…

・私はラボの博士学生としては平均より下だと思っているが,そのためか助教の公募はだいぶ苦戦した.学振DC1/2取れるくらいでないと苦しいだろう.

・私の場合,いわゆる「教授のツテ」というのはそこまで多くはなかったと思う.

・応募時にあらかじめ先方に連絡した方が良いと思った.多くの方に親切にしていただいた(助教だからかも).

・女性だと有利にすると明言する公募は結構ある.女性しか採用しない物もある.

2019/4/6 追記:助教→助教の公募戦線に参戦しました.
とある助教の助教公募戦線記録

2015年2月25日水曜日

gnuplotでパースできない行を飛ばす

CADやプログラムの出力結果をgnuplotでプロットする事はよくある.gnuplotはデータ部がcsvやタブ区切り,空白区切りであればパースできるが,出力結果にCADのバージョンやIndexなどがgnuplotのコメント形式と異なる形式で出力されるとgnuplotはファイルの読み込みをやめてしまう.
たとえばHSPICEであれば,ファイル先頭にHSPICEのバージョンやタイトル,Measureの名前が書かれているのでそのままではgnuplotでは読み込めない.

これを回避するために,パースできない行を見つけたときに読み込みを停止するのではなく,処理を続行させるように変更してみる.

src/plot2d.cを開き,get_data関数内のswitch(j)文中のcase 0を探す.
(4.6.0 patch 0だと669行目)

case 0: /* not blank line, but df_readline couldn't parse it */
{
df_close();
int_error(current_plot->token,
"Bad data on line %d", df_line_number);
}
break;

以下の様にコメントアウトする.


case 0: /* not blank line, but df_readline couldn't parse it */
{
//df_close();
//int_error(current_plot->token,
//"Bad data on line %d", df_line_number);
}
break;



あとは./configure,make,make installすればよい.モチベーションはkamae君と同じ.彼の方が正攻法だと思うが,こちらはgunplotに違反する構文がある行が不明でも対応できる.

IEEEtran.bstで著者名が線になるのを防ぐ


IEEEtran.bstにおいて参考文献リストにおいて同じ著者が連続すると,著者名が"------"と表示されてしまう.不可解な仕様だ.
調べると,著者名が連続する場合にダッシュにしない方法があるらしい.

(1) 論文データベース(.bib)にIEEEtran.bstの制御情報(IEEEtranBSTCTRL)を加える.
連続する著者をダッシュにしないのであれば,CTLdash_repeated_namesをnoにすればよい.

@IEEEtranBSTCTL{IEEEexample:BSTcontrol,
CTLdash_repeated_names = "no"
}

(2) 定義した制御情報を有効にする
定義した制御情報を有効にするコマンドをTEXファイルの本文に追加する(\begin{document}の直後がいいらしい).

\bstctlcite{IEEEexample:BSTcontrol}

(3) bstctlcite コマンドを定義する.
IEEEのクラスファイル(IEEEtrantools.styパッケージなど)を使っていれば必要ない.
その他のクラスファイルを使っている場合,bstctlciteコマンドを定義する.プリアンプル(\begin{document}の前)に書けばよい.
bstctlciteコマンドのソースコードはIEEEtran.bstの冒頭にコメントとして書かれている.

\makeatletter
\def\bstctlcite{\@ifnextchar[{\@bstctlcite}{\@bstctlcite[@auxout]}}
\def\@bstctlcite[#1]#2{\@bsphack
\@for\@citeb:=#2\do{%
\edef\@citeb{\expandafter\@firstofone\@citeb}%
\if@filesw\immediate\write\csname #1\endcsname{\string\citation{\@citeb}}\fi}%
\@esphack}
\makeatother

定義後,コンパイルすると連続する著者もちゃんと表記されるようになった.



参考:
Is it normal for BibTeX to replace similar author names with “------”?
How to Use the IEEEtran BIBTEX Style: IEEEtran.bstのマニュアル(PDF).丁寧に説明されています.

2014年12月15日月曜日

IC CompilerでLeakage Power Aware Filler Insertionを行う

某会議で,Fillerの消費エネルギーが大きいと問題になっている.IC CompilerでFillerを自動で挿入する際に,指定した消費エネルギーの範囲内でFillerの種類を選択させる事が可能である.

insert_stdcell_filler -leakage_power value

valueはFillが消費するリーク電力で,単位はmWである.

2014年12月13日土曜日

difference between HSpiceD, HSpiceS, Spectre, SpectreS?

Analog Design Environment(ADE)を利用している際に,
シミュレータの選択肢が複数あるが,これらの違いがわからないので調べた.

まず,Spiceの種類として大きくCadenceのSpecterとSynopsysのHspiceの2種類がある.
そして,HspiceDとHspiceS(Hspice DirectとHspice Socket),SpecterとSpecterS(Specter DirectとSpecter Socket)が存在する.

過去の経緯として,これらのシミュレータは柔軟に変数化可能な構文をサポートしていなかったため,ADEとシミュレータの間にcdsSpiceというマクロ言語をサポートするツールを挟むことで,ADEでの柔軟なシミュレーションを可能にした.一方でcdsSpiceを挟んでしまうため,ユーザーはシミュレータのサポートするすべての構文を利用できない欠点があった.

その後,各シミュレータが実行可能なネットリストを出力するダイレクトモードをADEはサポートし,その結果より効率よいシミュレーションが可能になったそうだ.



内容は,英語の文献を要約しただけである.
Cadence Technology Forums: difference between HSpice,HSpiceS,Spectre,SpectreS?

2014年11月20日木曜日

HSPICEの乱数生成器を指定する(.option randgen)

HSPICEで乱数を生成する場合において,乱数生成器を指定する事ができる.

.option randgen=value

valueはそれぞれ

0: デフォルト. マニュアルには"traditional random generator"を使うとある.これが何なのかは調べてもわからなかったが,古典的擬似乱数生成法のどれかだろうか.
1: キャリー付き乗算(Multiply-with-Carry)を使う.
moa: 1と同じ

より品質の良い乱数が必要であれば,randgen=1を指定すると良いだろう.

広く商用で利用され,それなりに高精度な解析に使われるのでてっきりメルセンヌツイスタでも使っているのかと思っていた.がっかり.

2014年11月7日金曜日

Rの標準出力への出力をファイルに出力する

最近Rを使っているが,出力の仕方がよくわからない.
あるWikiにはteeを使ってログを書き出すよう指定しているので,面倒なのでファイル名を指定してログファイルを書くようfunctionを書いた.

function R-log () {
        local R_log_name
        if [ $# -eq 0 ]
        then
                R_log_name="R.log"
        else
                R_log_name=$1
        fi
        R | tee $R_log_name
}

shell> R-log "file"

で,Rの出力をteeを使って"file"に書き出す.引数を指定しなければ"R.log"に出力する.


Rは終了時にログを取るか聞いてくるが,この機能もいらない.
そこで問答無用で終了させる関数をブログを参考にして.Rprofileに書き込んだ.
R を終了させる最短コードがおもしろい

Q <- 1="" b="">
class(Q) <- b="" quit="">
print.quit <- b="" function="" x="">
    q("no")
}

これでだいぶ便利になった.
# 調べたらもっとスマートな方法がきちんと用意されている気もする...

2014年10月9日木曜日

Keysight U2723Aの出力コネクタの型番

Keysight U2723Aの出力コネクタを紛失した(これだから男子は!!!!)。マニュアルに記載されていなかったので問い合わせたところ、型番はU2722-80002というらしい。



緑のコネクタと保護キャップの3セットらしい。

なお、型番の問い合わせは以下のリンクから可能。
Find-A-Part: Part Identification Assistance

2014年9月30日火曜日

SSDの速度低下レポート

KingstonのSSDnow V100 SV100S2/256GBというSSDを2年半ほど利用した.最近すごくもっさりなので,ベンチマークを取ってみた.利用しているPCは東芝の【・・dynabook SS RX2である.

使用状況
・256GB中おおむね160GBぐらいは常にデータが入っている状態
・Windows XPで1.5年弱,Windows 8に入れ替えて半年程度利用した.半年は利用せず
・おおむね平日に12時間程度連続利用
・電源投入1064回,使用時間7814時間



新品時(OSはWindows XP)




2年半経過後(OSはWindows 8)



タスクマネージャ.平均応答時間がすごいことに…

利用しているノートパソコンの都合上,新品時の測定結果はSATA 1の速度(150MB/s)に律速されているが,注目すべきは2年半経過後のシーケンシャルWriteで,22MB/sとUSBメモリ程度しか出なくなってしまった.Defraggerによる0fillは定期的に行っていたがそれでも長期間利用するとこれだけ速度が低下するようだ.

PC利用時に頻繁に固まるので,ADATA SP610 256GBに乗り換えた.KingstonのSSDは速度回復を試みてみるつもり.

# しかし,OSも違うしCristal Disk Markのバージョンも違うし,データサイズも違うので
# 全然apple to apple comparisonになってないな…

2014年9月29日月曜日

ガラケーでau Walletを利用する

今更な話題? auのポイントプログラムが2014/4/1付で変更になり,auポイントは終了しau Walletに変更になった.
ポイント情報を移行しないといけないのだがそのためにはau IDが必要で,au IDを取得するためにはauの携帯を使ってオンラインで移行する必要がある.そのためEZ-winを成約していないフィーチャーフォンでは移行が不可能らしい.(PCでもアカウントを取ることはできる.au IDの登録ページの一番下に小さく「パソコンでご利用の方(au , 固定通信サービスをご利用でない方)はこちら」とある.しかし,試してみるとau IDはとれるがこのIDではau Walletは無効化された).

この場合,0077-777に電話してオペレータにつないでもらうと,IDの発行処理をしてもらえるようだ.au Walletカードも作るのであれば,後日カードが送付され,再度0077-777に電話してオペレータにつないでもらう事でアクチべーションできるらしい.発行には7~10日かかると言われたが,9日たった今でも届いていない…