TAU Workshopで「HSPICE遅すぎるんですけど(><)」って文句を言いまくっていたら,「FineSimいいよ,マルチコア対応だし速いし」と元MagmaからSynopsysに移った人がお勧めしていたので使ってみた.試したのは FineSim M-2017.03-SP2-5,普段使いは HSPICE J-2014.09-SP1-2 .FineSimをSPICE互換モードで利用するには以下のようにする.マルチプロセッサで実行するために-np [numCPU] を付けている(HSPICEの-mtと同じようだ).-autoオプションを付けると,独立したsweepを別プロセッサで実行する(HSPICEの-mpと同じようだ).
% finesim spice.sp -mode=spicemd -np [numCPU] -auto -spice
あるプロセスのDFFのD2Q遅延とセットアップ時間を評価してみた.D2Cを変えながらD2Qの最小値を求める.
D2Q遅延:1.4% の差(FineSimの方が速い)
Setup:同じ(刻みは0.1ps)
ほとんど同等の結果だ.
速度は以下のような感じ.201点スイープです@intel Core i7 4790K 8-thread.
HSPICE (-mp -merge) 37秒
FineSim (-np) 22秒
FineSim (-np -auto) 13秒
めっちゃ速い.FineSimは標準出力へのログの吐き出しが無ければもっと速くなりそう.
気になったところ
・HSPICEの構文解析でOKな記述がFineSimではエラーになったりする.
・.measureに失敗したときに,HSPICEは"failed"と表示するが,FineSimは"error"と表示する.
・FineSim-EmbeddedというのがSiliconSmartに入っていてライセンス無く使えるらしい.
・FineSimは2つの解析エンジンを持っているので,どちらのエンジンで実行すべきか指定する(指定しないと自動選択されるらしい).
(1) FineSim Pro,回路分割を行いマルチCPUで解く.いわゆるFastSPICEでほどよい精度と速度のトレードオフをもつ.オプションは-mode=promd
(2) FineSim SPICE,回路分割を行わなず,単一のマトリックスをマルチCPUで解く.いわゆる普通のSPICEでSPICE精度を保ちマルチコア対応で速い.オプションは-mode=spicemd
その程度でめっちゃ速いと言ってはいけません。最低Hsiceの10倍は出ないと。ところで、FineSimではサブサーキット毎に異なる精度パラメータの設定が可能ですか? あるサブサーキットでは reltol=1m 別のサブサーキットでは reltol=0.2m とか… ご存知なら教えて下さい。
返信削除3倍でもありがたいのですが,SPICE精度で10倍速くなってくれたらうれしいですね.精度については,直接 reltol を指定はできないようですが,finesim_tolscaleオプションなどを使いサブサーキットごとに指定できるようです.
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