2023年9月14日木曜日

英語の会計用語

英語の会計用語がごっちゃになってきた.

明細書:quotation

請求書:bill

領収書:reciept

明細付き請求書(納品書と請求明細書を兼ねる):invoice 

請求書払い:payment on invoice

立て替え払い:payment in advance

2023年9月9日土曜日

IC Compiler でダイナミック電力とスタティック電力を見積もる (report_power)

report_power コマンドを用いる事で,STA ベースのダイナミック電力及びスタティック電力の見積もりが可能.正確な電力の見積もりにはユーザーの指定するスイッチング確率がアノテートされている必要がある.ここでは IC Compiler の report_power のオプションについてまとめる.

icc_shell> 
[-net]
[-cell]
[-only cell_or_net_list]
[-hierarchy]
[-levels level_value]
[-verbose]
[-flat]
[-exclude_boundary_nets]
[-include_input_nets]
[-analysis_effort low | medium | high]
[-nworst number]
[-sort_mode mode]
[-histogram [-exclude_leq le_val
| -exclude_geq ge_val]]
[-nosplit]
[-scenarios scenario_list]
[-groups group_list]

-net
配線による電力見積もり値を報告する.デフォルトで有効.

-cell
セルによる電力見積もり値を報告する.階層モジュールにおいて physical-only cell が含まれている場合,physical-only cell と non-physical-only cell の電力量は分けて報告される.本オプション利用時にいくつかのnon-physical-only cell は電力を報告しないことがあり,その場合N/Aと表記される.デフォルトで有効.

-only cell_or_net_list
-net もしくは -cell オプションを利用時に報告対象とするcellおよびnetを指定する.cell_or_net_list に挙げられた cell もしくは net のみが電力の報告対象となる.-net -cell を同時に指定する場合少なくとも一つの -net -cell が指定されなくてはならない.
-cell に physical-only-cell が指定されない限り電力報告対象とはならない.

-hierarchy
階層的なフォーマットとして,ブロック単位の電力を報告する.-levels オプションを利用する事で報告対象の階層数を指定する.-sort および -nworst オプションは無視される.

-levels level_value
報告対象の階層数を指定する.level_value は正の整数.-hierarchy オプションを使用しない場合本オプションは無視される.

-verbose
-net もしくは -cell オプションが指定された場合,cell または net のより詳細な情報を表示する.本オプション利用時は power group summary にグループ内のセル数が表示される.

-flat
階層を除去し全階層のオブジェクトに対して電力を報告する.デフォルトでは現在の階層のオブジェクトに対して電力を報告する.

-exclude_boundary_nets
現在は無効.

-include_input_nets
Primary input のスイッチング電力も報告する.デフォルトでは無効.本オプションを利用する事で net の電力が報告されるようになり,総消費電力にも影響する.cell の内部電力及びリーク電力には影響しない.

-analysis_effort low | medium | high
電力解析の精度と速度のトレードオフを取る,デフォルトはlow.本オプションはスイッチング確率の計算に影響するため,解析対象のスイッチング確率がアノテートされている場合に影響する.

-nworst number
報告をフィルタし消費電力の多い上位 number 個のみを表示する.-net もしくは -cell オプションが指定されたときのみ有効.

-sort_mode mode
-nworst オプションを利用したときのソーティング方法を指定する.-net もしくは -cell オプションが指定されたときのみ有効.

-histogram -exclude_leq le_val | -exclude_geq ge_val
電力解析結果をヒストグラムとして表示.-exclude_leq-exclude_geq は電力のうち指定値 le_val より大きいか指定値 ge_val 小さいものを除去する.-net もしくは -cell オプションが指定されたときのみ有効.

-nosplit
ラインスプリッティングをしない.

-scenarios scenario_list
Multicorner-multimodeでのシナリオを指定する.各シナリオは個別に報告される.無効なシナリオは無視する.本オプションを指定しない場合は現在のシナリオを解析対象とする.

-groups group_list
特定のグループの電力を報告する.デフォルトではすべてのインスタンスはどれかのグループにのみ属するため,グループの電力の総和が総電力と一致する.有効なグループは以下の通り:io_pad, memory, black_box, clock_network, register, sequential, combinational.

2023年9月3日日曜日

compile コマンドと compile_ultra コマンドの違い

DesignCompiler には compile コマンドと compile_ultra コマンドがあるけれど,その違いは何か調べた.compile_ultra の方が上位互換と考えて良いみたい.

compile: DC Expert を起動する.DC Expert は HDL を最適化されたテクノロジ依存のゲートレベル記述に変換する.
compile コマンドの基本機能は以下の通り.
・GUI と CLI をサポート
・階層的コンパイルをサポート
・フルコンパイル,インクリメンタルコンパイルをサポート
・FF およびラッチを利用した順序回路の最適化
・タイミング解析

compile_ultra: DC Ultraを起動する.より高速で厳しいタイミング条件における回路の合成,また回路の QoR (Quality of Results) の向上が可能.
compile コマンドの機能にさらに以下の機能が追加されている.(専用のライセンスが必要)

・DesignWare library をサポートし,DW library の中からベストな回路構成を自動的に選択,最適化.
・Alib と呼ぶ仮想ライブラリを生成する事で,より大規模な解空間の中から面積と遅延のトレードオフを探査する事を可能にする.
・階層構造を自動的に分解することで,DesignCompiler が回路中の論理の共有を可能にしタイミングをより向上させる.
・階層構造を持つ回路の特に下層の階層境界のポートを変更を許可する.
・データパス抽出を行い算術演算をデータパスブロックに変換し,データパスジェネレータを利用する事でよりより実装を実現する.
-retime オプションを利用すると,レジスタリタイミングを実施する.
・topological mode を利用すると,DesignCompiler は以下の処理を行う.
 ・より高精度なポストレイアウトタイミング,面積,電力の見積もりを wire-load model を用いず行う.
 ・マルチコア CPU を利用した論理合成の高速化
 ・多電源設計をサポート
 ・multicorner-multimode 最適化を実施し論理合成を高速化
-spgをオプションを利用する事で DesignCompiler Graphical を利用に可能にする.それによって
 ・physical guidance technology によって IC Compiler に対してセルの初期配置情報を提供する事でよりよい QoR を実現する.
 ・論理合成時の配線混雑度を軽減する.
 ・信号配線層の最適化を実現.
 ・floorplan exploration によって設計者がフロアプランの修正を可能に.

DC Expert と DC Ultra の違いを挙げると,Expert は以下を実施する.
・マルチプレクサの最適化
・順序セルのマッピング
・ブール代数最適化とマッピング
・Auto-Uniquilization
・Implement Synthetic Parts
・タイミングドリブン,電力ドリブンの組み合わせ回路最適化
・遅延とリーク電流の最適化
・デザインルール考慮
・area recovery

Ultraはさらに以下を実施する.
・面積のアングルーピング
・データパスの最適化
・レジスタリタイミング