2013年1月27日日曜日

シリサイド サリサイド ポリサイド

シリサイドとサリサイドがごっちゃになったので,備忘録的にメモ.ポリサイドもあるよ!

・シリサイド
シリコンと金属の化合物をシリサイド(Silicide.より正確にはメタルシリサイド)と呼ぶ.コバルト(Co)やニッケル(Ni)とシリコンの化合物が微細プロセスではよく使われる.
ポリシリコンや拡散はVIAを通じて上部のメタルに接続されるが,Siでできているポリシリコンや拡散に金属のVIAを直接接続すると,接合部(ジャンクション)の仕事関数が大きく,抵抗が大きくなる.従ってシリサイド化する事で仕事関数を小さくする事で,接合抵抗を軽減できる.
多結晶シリコンよりも抵抗が低く,ポリ配線,拡散配線の抵抗を減らすことができる.メタルと比べると高温でも安定であるため,高温でアニールする必要のあるトランジスタの電極で使われる.


・ポリサイド
ポリサイドは(POLYsilicon siliCIDE)の略で,ポリシリコンゲート上に生成するシリサイドの事である.
シリサイドはポリシリコンよりも抵抗が低いのでゲート電極の抵抗を減らすことができる.


・サリサイド
サリサイドは(Self Aligned siliCIDE)の略で,自己整合で作られるシリサイドの事を,特にサリサイドと呼ぶ.ポリシリコンだけでなくトランジスタの拡散領域にシリサイドを生成する時に利用する.

くどいが,ポリシリコンの上にシリサイドを作った物がポリサイド,ポリシリコンと拡散両方に自己整合的にシリサイドを作ったものをサリサイドと呼べばよさそうである.

2013年1月23日水曜日

HSPICEで動作点解析(.op)の結果をファイルに出力する(.option opfile)

HSPICEの動作点解析(.op)の結果はデフォルトでは標準出力に出力されるが,これをファイルに出力するにはopfileオプションを使う.

.option opfile = value

valueは0から2の数字で,それぞれ

0: 標準出力に出力(default)
1: 単一のdesign.dp#に出力
2: 個別のdesign.dp#に出力

valueは0から2だよと言っておきながら,マニュアルには以下のようにある..option opfile=3にするとどうなるのだろう...

When used with multiprocessing (-mp) .OPTION OPFILE=1 or 2 is valid (3 is ignored).

なお,HSPICEの動作点解析.opはデフォルトでは時間0sにおけるDC特性を解析するのだが,時間を指定する事で任意の時刻の動作点解析ができるようだ(実際には未確認).

.op format time format time [interpolation]

たとえば5ns地点の動作点解析は以下のようにすればよいらしい.

.op 5ns

2013年1月14日月曜日

IEEE pdfXpressの上限を超えてPDFのチェックを行う方法

IEEE Xplorerにアーカイブされる論文は,IEEE pdfXpressをつかってIEEEの形式に合致しているか調査する必要がある(必要のない緩い学会もある).pdfXpressは同一タイトルに対して3回しかチェックすることができない.FAQをみてみると

The maximum number of PDF Checks has been reached. Can I have more?
The maximum number of PDF Checks has been reached. Can I have more?

If you have not reached the maximum number of Source File Conversions, you may submit your source file(s) for conversion. If that maximum is reached also, simply select "Request Manual Conversion" or "Request Technical Help". You will be contacted by a member of our experienced Technical Support staff.
PDFがだめならソースをアップロードして,それでも上限を超えたらテクニカルサポートを呼んでね!とある.これはめんどくさい.

上限以上のファイルをチェックするには,シンプルに"Create New Title"を押し,同じタイトルでもう一つのPaper IDを取得する方法がある.


図の様に,上限を超えた4つ目のバージョンをチェックできる.PDFなんて高々数MBだし,チェックにそれほど負荷がかかるとも考えられないし,無制限にチェックできればいいのにと思う.

なお,IEEE pdfXpressでは,用紙サイズのチェックはしていない模様.IEEEに投稿するときは,米国に合わせてLetterサイズで出力するように注意!

IEEEのオンラインコピーライトが取得できない時の対処法

IEEEのオンラインコピーライトトランスファー ではまったので備忘録としてメモ.

IEEE Xplorerに論文がアーカイブされる場合,著作権(コピーライト)をIEEEに譲渡する必要がある.IEEEのコピーライトフォームのデフォルトは英語だが,多言語に対応しており日本語も選択できる.


しかし,フォームを埋めていき最後に[続行(Continue)]を押しても,次のページに遷移しない(Opera 12.12).



この場合,メニュー上部に移動しEnglishを選択すると,



フォームが英語になる.


この状態で[Continue]を選択すると,最終的な著作権譲渡の誓約書が発行される.

なぜ日本語ではだめなのでしょうね.
学会によってはシンプルにPDF やWordのテンプレートを送ってくれるところもあるのだが,わざわざめんどくさいオンラインでやる場合,覚えておくと便利かも.  

2013年1月6日日曜日

【・・dynabook SS RX2のキーボードを交換する

2年前にdynabook RX2のキーボードを交換したのだが,2年間の酷使の結果キーごとに打ち心地が変わってきてしまった.どうもメンブレンが痛んできたようだ.また,中性洗剤では落ちない汚れもついてしまった.
仕方がないので,再度RX2のキーボードを交換する事にした.今回もYahoo! Auctionでキーボードを落札した.送料込みで2500円だった.


2年間使い続けたキーボード(上)と新たに落札したキーボード(下).写真ではわかりづらいが,微妙に色合いが違う.


 2年間使い続けたキーボード(下)と新たに落札したキーボード(上).RX2本体の両面テープに一部持って行かれてしまったが,どうもパーツ番号からして別物らしい.
なお,固定は両面テープなので,キーボードを剥がすとキーボードを固定するアルミ板がグニャグニャになる.したがって一度剥がしたキーボードは再利用できないと考えた方がよい.



キーボードを交換する場合,HDDと本体基板の間の隙間からフレキシブルケーブルを通す必要がある(写真中央の黒いフレキシブルケーブル).キーボードの固定は両面テープなので,先にフレキシブルケーブルを刺してからキーボードを貼り付けないと,貼り付けた後でフレキシブルケーブルがうまく刺さらないというオチになりかねないので注意(そして前述の通り,やり直しはきかないと考えた方がよい).

張り直した結果.見た目も綺麗になったし,小気味よい打ち心地も回復して上等である.小さくて軽くてキーボードよくてバッテリーも長持ちなので,論文書きマシンには最高である.あとはプロセッサのパワーがもう少しあればいいのだが…

2012年12月31日月曜日

タッチパッドにテフロンシートを貼る

愛用している【・・dynabook SS RX2のタッチパッドのコーティングがはがれ,所々滑りが悪くなってきた.元々はさらさらした滑りだったのだが,ツルツルになり滑りが悪い.
この問題を解決するために調べたところ,タッチパッドにテフロンシートを貼ることで滑りを改善する事ができるらしい.

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0056EWK6M/

KAWADAのテフロンシートを買ってみた.Amazonで945円.上記写真では黄色だが,実物はほぼ透明である.剥離すると分厚いシートと薄いシートに分離できるが,薄いシートの方がテフロンシートだと思われる(粘着面があるので).

張り替えた結果だが,指がさらさらしている状態では摩擦も少なく上等だが,汗ばむとツルツルと抵抗を感じるのが残念.ただしコーティング剥げ状態よりは具合はよい.945円で延命ができたと考えれば,上等かと思われる.

結構大きいので,もう一回り小さいものでも良いかもしれない.いずれにせよ,おすすめ.

http://www.amazon.co.jp/KAWADA-TZ13-ハード・テフロンシート-Mini-Z用/dp/B005DJP9TA/ref=pd_sim_sbs_hb_1

2012年11月23日金曜日

Excelの数式を他のExcelブックにそのままコピーする

あるExcelブック(ファイル)内で数式を使っている時に,数式を他のブックに流用したいことありますよね.たとえば
・Book1.xlsのシート1を参照するシート2の数式
をそのまま
・Book2.xlsのシート1を参照するシート2の数式
として使いたい事があります.

しかし,元のExcelブック内の他のシートを参照している場合,単純にコピーするとExcelのブック間リンク機能が有効になってしまいます.


これでは,Book2.xlsのシート1ではなくBook1.xlsのシート1を参照してしまいます.

このようなときは,Excelのワークシート分析を使います.キーボードの[Ctrl+Shift+@]を押すと,シートに書かれている数式がそのまま表示されます.



これをBook2.xlsに貼り付けると…



残念ながらこれでもブック間リンクになってしまいます.




一旦メモ帳に貼り付けると,ようやく意図したとおり,Book2.xlsのシート1を参照するシート2の数式になりました.

Excelブックの数式を他のブックに流用したいときすごく便利ですよ!

参考:教えてGoo 【Excel】数式をそのまま他のシートにコピーする方法

2012年11月13日火曜日

HSPICEでモンテカルロで変動させたパラメータを表示させない(.option mcbrief)

HSPICEでモンテカルロシミュレーションを行うと,シミュレーションの過程で変動させたパラメータが標準出力(.lis)および.MEASUREの出力ファイル(.ma0, .mt0, .ms0等)に出力される.モンテカルロシミュレーションで大量の変数を変動させた場合,見たいパラメータが変動した変数に埋もれてしまう.
モンテカルロシミュレーションの結果をこれらのファイルに出力しないために,MCBRIEFオプションを使う.

.option mcbrief=value

valueは0から3の数字で,それぞれ

0: 変動したパラメータをすべて表示(default)
1: 標準出力(.lis)および.MEASUREの出力に変動したパラメータを表示しない
2: 標準出力のみ変動したパラメータを表示
3: .MEASUREの出力のみ変動したパラメータを表示


である.おすすめはMCBRIEF=1である.

なお余談だが,HSPICEの乱数は種を意図的に変えない限り再現性があるので,何度モンテカルロシミュレーションを行っても同じ結果が得られる.
乱数の種を変えるには,SEEDオプションを使う.

.option SEED="value | random"

valueが指定する乱数の種であり,1から259200の間の値を取る."random"を指定すると,HSPICEはシステムクロックから乱数を生成し,乱数の種とする(再現性が無くなる).

2012年11月12日月曜日

gnuplotのグラフをPowerPointに貼る

PowerPointでは,gnuplotが出力したepsファイルをOffice描画オブジェクトとして編集することができる.

epsファイルをドラッグアンドドロップでスライドに移動させると,epsがスライドに表示される.この状態で右クリック→[図の編集]を選択すると,以下のようなダイアログが表示される.




ここで[はい]を押すと,Office描画オブジェクトに変換される.任意の回数右クリックし,[グループ化]→[グループ化の解除]を選択すると,以下のように各オブジェクトを個別に操作することが可能になる.




ベクターイメージなので,拡大しても綺麗なままなのがうれしい.A0のポスターに貼り付けたがビットマップイメージと異なり綺麗なまま印刷できた.
昔はepsから外部ツールを使ってemfに変換したり,それではうまくいかないからと泣く泣くpng等に変換して貼っていたが,ドラッグアンドドロップでうまくいくとは気がつかなかった.

2012年10月30日火曜日

コマンドの出力結果から空白行を消す

HSPICEの出力結果は,ムダに空白行が多い.わかりにくいので,zshの関数を使って出力結果の空白行を削除してみた.ついでに,"***"から始まる行を消し,.lisに標準出力をリダイレクトするようにしてみた.
# cshなら引数をエイリアスに入れられるが,zshだと関数にしないといけないらしい.

function hspice-func () {
   local input_file_name
   input_file_name=$1
   hspice64 $1 | grep -v -e '^\s*$' | grep -v '\*\*\*' | tee ${1}.lis
}


1つめのgrepで,空白行に該当しなかった行を表示し,2つめのgrepで,***に該当しなかった行を表示させている.他に,grepを駆使しまくれば,いらないメッセージもどんどん消せるだろう.出力結果はなるべくシンプルにしたいものだ.

11/13追記:
grepで"***"を消してしまうと,HSPICEの出す***simulation concluded***というメッセージも消してしまうので,やめた方が良いかも.